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暫定チャンピオン同士の戦い!カチディス対カサマヨル

次回はビタリ・クリチコがディレック・チゾラと拳を交える8度目の防衛戦!
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WBO暫定世界ライト級タイトルマッチ

WBO暫定世界
ライト級チャンピオン
マイケル・カチディス(オーストラリア)
戦績:23戦全勝20KO
WBC暫定世界
ライト級チャンピオン
ホエル・カサマヨル(キューバ)
戦績:39戦35勝21KO3敗1分

試合経過

人気、実力ともに急上昇中のWBO暫定世界ライト級チャンピオン、マイケル・カチディス。23戦全勝20KOの戦績が証明するように、手数の多い攻撃型のハードパンチャーです。世界中のボクシングファンから愛された「激闘王」、アルツロ・ガッティを彷彿とさせる攻撃8割、守備2割のボクシングスタイルで、エキサイティングな試合を連発し、ボクシングファンのハートをガッチリ掴んでいます。

世界的な人気を集めるカチディスが今回挑戦者として迎えた相手は、WBC暫定世界ライト級チャンピオンのホエル・カサマヨル。キューバ出身のオリンピック金メダリストで、スーパーフェザー級、ライト級の2階級制覇を達成したサウスポーのテクニシャンです。今回のタイトルマッチは、WBO暫定世界ライト級タイトルのみがかかっているので、カサマヨルがカチディスに挑戦する形になっていますが、実質的な王座統一戦。全勝チャンピオン対2階級制覇チャンピオンの戦いは管理人の予想を大きく覆す衝撃のスタートとなりました。

なんと挑戦者のカサマヨルが試合開始から25秒でいきなりダウンを奪います。一瞬、何が起こったのかわかりませんでしたが、リプレイを観るとカサマヨルの左のショートがカチディスの顔面にヒットしています。さらに、最初のダウンから30秒後、カサマヨルのワンツーがカチディスのアゴを襲い、再びダウン。1ラウンドにカチディスが2度もダウンする事態は、全く予想していなかったので、本当にビックリしました。パンチの威力こそカチディスに劣りますが、抜群のタイミングで相手の急所を打ち抜く技術こそ、カサマヨルの怖さですね。

並みのボクサーなら、序盤で試合は終わっていたと思います。しかし、ここからカチディスが本領発揮。2ラウンドに入ると、ダメージが残る中、左右に動いてパンチを打ちながら体力回復に努めます。パンチを出しながら体力回復できるのは強打者ならではの特権ですね。もしカサマヨルが一気に勝負をかけてきたら、カチディスは打ち合って応戦するつもりだったのでしょう。しかし、カサマヨルはダウンこそ奪ったものの、カチディスのパンチ力を警戒し、距離を取りながら様子を見て2ラウンドを戦います。このあたりは、トップボクサー同士のかけ引きで、めちゃくちゃ緊迫感があります。

3ラウンドに入ると、カチディスがカサマヨルのボディーへ連打を集め、カサマヨルが一瞬、嫌な表情を浮かべます。少しずつ流れがカチディスに傾きかけ、「すげーな、カチディス」と思っていると、4ラウンドには強烈な左フック、右ストレートのコンビネーションをヒットさせ、カサマヨルがグロッキーになる場面も。1ラウンドのダウンのダメージが抜けてきたのか、カチディスの生命線とも言える踏み込みの速さが戻り、本来の攻撃的なボクシングがさらに加速します。

6ラウンドには、カチディスの会心のボディーブローがカサマヨルのみぞおちに突き刺さります。一瞬、カサマヨルの呼吸が停止したのではないでしょうか?威力、角度、タイミングの全てが揃った完璧なボディーブロー。「美しいボディーブローランキング」があれば、間違いなく上位に入る芸術的なボディーブローです。

呼吸が苦しく、足元がおぼつかないカサマヨルに対し、カチディスは右フックで追撃。さらに連打を集め、カサマヨルをリングサイドへ叩き落します。「これは決まったかな」と思ったのですが、なんとリングサイドへ落とされたカサマヨルが10カウント以内にリングへ戻り、このラウンドを耐え切ります。この驚異的な粘りにはビックリ!お互いにダウンを奪われながら、カチディスもカサマヨルも恐るべき耐久力と精神力をみせつけます。

6ラウンドにダウンを奪ったカチディスですが、7ラウンドに入ると大振りが目立ち、逆にカサマヨルのカウンターをもらってしまいます。1ラウンドにダウンを奪われながら、パンチを出し続けて、カサマヨルにプレッシャーをかけてきたカチディスですが、このラウンドで急激に失速。試合の流れが再びカサマヨルへ傾きます。

そして、迎えた10ラウンド。衝撃の結末が待っていました。ゴングが鳴ると同時に最後の力を振り絞って勝負をかけるカチディス。カチディスの勇敢な姿に思わず拳を握り、応援してしまいます。カサマヨルをロープへ追い詰め、「チャンス」と思った瞬間、カサマヨルの左フックがカチディスを襲います。カサマヨルの利き腕から繰り出された完璧なカウンターがカチディスのアゴをクリーンヒット。カチディスは「絶対にダウンしてたまるか!」と無意識にロープを掴み、必死でダウンを拒もうとしますが、カウンターの衝撃がそれを許しません。

一度は立ち上がったカチディスですが、カサマヨルのラッシュを浴び、試合はストップ。世界的にも珍しい暫定チャンピオン同士の対決は、タイトルをかけていないカサマヨルが勝つという皮肉な結果に終わりました。

勝ったカサマヨルはやはり抜群のテクニックを持っています。特に相手の力を利用したカウンターは芸術的です。カウンターに加えて、頭をファイターが嫌がる位置に置いたり、勝負際に絶妙なタイミングでクリンチしたりとカチディスが戦いにくいようなボクシングを終始展開していました。好き嫌いが分かれるボクシングスタイルかもしれませんが、経験豊富なボクサーにしか出せない味わいがあります。

負けたカチディスですが、勝ったカサマヨルより評価を上げたかもしれません。前に出て勇敢に戦う姿勢はアルツロ・ガッティに似ていますし、踏み込みの速さはマイク・タイソンばりです。世界中のボクシングファンから愛されるボクシングスタイルを持っているので、ゆっくり静養して、ダメージを完璧に抜いてからリングに帰ってきたほしいです。カチディスは本当に勇敢で、ボクシングファンのハートを熱くするボクサーなので、初黒星を喫してしまいましたが、今後ますます人気が出ることは間違いないですね。

試合結果

試合結果 ホエル・カサマヨルが10ラウンドTKO勝ちでWBO暫定世界ライト級タイトルを獲得。
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